読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

せてぃーずノート

Javaのイベント参加レポートとかを書いたりします。

データのマスキングが気になったので調べてみた

セキュリティの要件を検討中、データのマスキングについて気になったので調べてみた。
具体的なシチュエーションとしてはこんな感じ。

  • システム導入先のユーザーと、そのシステムを構築・保守するSIer
  • SIerはテストや障害調査等でユーザーの個人情報含むデータ(顧客テーブルとか)が必要
  • 従来通りの氏名とか住所をマスキングすることは、個人情報保護法的にOKなのか

法律の解釈についてはあまり詳しくないので、間違っている箇所もあるかもしれないのでご容赦を。

匿名加工情報

個人情報保護法には「匿名加工情報」という言葉の定義があり、以下のように説明されていた。

・特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報であって、当該個人情報を復元することができないようにしたものをいう。
・当該個人情報に含まれる記述等の一部を削除すること(当該一部の記述等を復元することのできる規則性を有しない方法により他の記述等に置き換えることを含む。)。
・当該個人情報に含まれる個人識別符号の全部を削除すること(当該個人識別符号を復元することのできる規則性を有しない方法により他の記述等に置き換えることを含む。)。

「個人識別符号」も定義されている。

・特定の個人の身体の一部の特徴を電子計算機の用に供するために変換した文字、番号、記号その他の符号であって、当該特定の個人を識別することができるもの
・個人に提供される役務の利用若しくは個人に販売される商品の購入に関し割り当てられ、又は個人に発行されるカードその他の書類に記載され、若しくは電磁的方式により記録された文字、番号、記号その他の符号であって、その利用者若しくは購入者又は発行を受ける者ごとに異なるものとなるように割り当てられ、又は記載され、若しくは記録されることにより、特定の利用者若しくは購入者又は発行を受ける者を識別することができるもの

特定の個人の身体の一部の特徴の例としては、顔写真とかが考えられる。
病院のカルテとかなら、病状や治療歴も含まれそう。
2つ目はクレジットカードや銀行口座の番号が該当する。
伝票番号とかは、他のデータと突き合わせれば購入した人がわかる可能性があるけど、この文には「他の情報と照合」という言葉が入っていないので許されるかもしれない。

ここまでのまとめ
  • マスキングして個人を特定できなくなったデータは個人情報保護法における「匿名加工情報」になる
  • 氏名や顔写真等は当然として、IDも削除しないといけない対象になる可能性がある

ID系についてはこんな感じ。

  • ICカードや領収証に記載されている人の目に触れる番号はマスキングが必須
  • システム内部でのみ使用しているサロゲートキーは許される(というか許されてほしい)

匿名加工情報の作成

これも法律に書いてあった。

個人情報取扱事業者は、匿名加工情報(匿名加工情報データベース等を構成するものに限る。以下同じ。)を作成するときは、特定の個人を識別すること及びその作成に用いる個人情報を復元することができないようにするために必要なものとして個人情報保護委員会規則で定める基準に従い、当該個人情報を加工しなければならない。
個人情報取扱事業者は、匿名加工情報を作成したときは、その作成に用いた個人情報から削除した記述等及び個人識別符号並びに前項の規定により行った加工の方法に関する情報の漏えいを防止するために必要なものとして個人情報保護委員会規則で定める基準に従い、これらの情報の安全管理のための措置を講じなければならない。
個人情報取扱事業者は、匿名加工情報を作成して当該匿名加工情報を第三者に提供するときは、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、あらかじめ、第三者に提供される匿名加工情報に含まれる個人に関する情報の項目及びその提供の方法について公表するとともに、当該第三者に対して、当該提供に係る情報が匿名加工情報である旨を明示しなければならない。
個人情報取扱事業者は、匿名加工情報を作成したときは、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、当該匿名加工情報に含まれる個人に関する情報の項目を公表しなければならない。 ・個人情報取扱事業者は、匿名加工情報を作成して自ら当該匿名加工情報を取り扱うに当たっては、当該匿名加工情報の作成に用いられた個人情報に係る本人を識別するために、当該匿名加工情報を他の情報と照合してはならない。
個人情報取扱事業者は、匿名加工情報を作成したときは、当該匿名加工情報の安全管理のために必要かつ適切な措置、当該匿名加工情報の作成その他の取扱いに関する苦情の処理その他の当該匿名加工情報の適正な取扱いを確保するために必要な措置を自ら講じ、かつ、当該措置の内容を公表するよう努めなければならない。

公表・・・?
えー、まとめると・・・

  • データをマスキングする時は、個人情報保護委員会規則で定める基準も考慮しないといけない
  • 加工の方法はバラしちゃだめ
  • 第三者に提供するときは公表しないといけない(!?)
    『みなさんこんにちわ、○○商社です。今回、わが社の顧客情報管理システムでトラブルが発生しました。つきましてはお客様のデータのうち氏名、住所を秘密にした顧客情報を、委託している××システムに提供します』とかプレスリリースとかに乗せろということ・・・なのか?
  • そもそも匿名加工情報を作った自体、公表しないといけない(!?)

なんかすごく面倒・・・。
少なくともシステムを開発・運用するSIerとの関係だと、法律通りの運用はされないのでは・・・。